84年と90年の両年、世界の三大穀物(麦、米、トウモロコシ)は、それぞれ記録的な単位面積当たりの収穫量を上げました。
主要な穀倉地帯がすべてまれに見る好条件に恵まれたからです。
似たような天候に恵まれていた両年なのに、世界の穀物生産の成長が鈍化したのは、まさしく農業の世界の不吉な傾向を示すものだと言えるでしょう。
もし1980年代半ばに記録的な穀物備蓄がなされていなかったら、84年以降の世界の食糧生産の低落は、もっと厳しい結果を招いていたかもしれません。
短期的な食糧安全保障としては最善策と思われる繰越備蓄は、世界を合計すると87年に4億6100万トンにのぼり、世界を102日間養える量となりました。
しかし、それからの3年は、1人当たり穀物生産量の低落を反映して、年間の穀物消費量が生産量を上回り、備蓄は1億7300万62日分を満たすにすぎなくなりました。
9トン減少したのです。